仏教伝道協会設立50周年記念企画として「一日一訓カレンダーフォトコンテスト」を開催しました。おかげさまで、1400枚を超える作品が集まりました。
9月8日に審査会を開催し、優秀な作品の中から選りすぐりの31点を入選作品に決定しました。尚、入選作品を掲載したカレンダーは来年6月の刊行を予定しています。
このカレンダーは、仏典や各宗祖の言葉をとりあげ、写真とともに味わっていただく日めくりで、毎年15万部以上、国内寺院をはじめ海外にもひろく頒布されます。
●審査員…石黒健治氏(写真家)、大橋紀雄氏(僧侶/写真家)、杉全泰氏(写真家)、丸林正則氏(写真家)
●賞金… 表紙採用10万円(1点)/入選作品5万円(31点)
講評
文言の「一筋に」という言葉を「木」一点に集中させた。一本の木を中心に他の木との構図がきっちり収まっている。なかなかこうはいかない。アイデアの勝利でもある。
講評
色がきれいで力強い。厳しい風雨に耐えてきた大きな木。「苦しいことがあっても、必ず朝が来て苦しさが和らぐだろう」という願いが表現されている。
講評
フォトジェニック(写真うつりの良い)な一枚。五重塔も良い。ヒマワリが可愛く、おもしろい。ストロボでほどよい光をあてることで、幻想的な作品に仕上がっている。
講評
数多く集まった「蓮」の写真のなかで一番良かった。茎を伸ばした蓮の花の特徴を捉えている。光の取り具合、アングルも良い。沼の中から蓮の花を見上げる魚の視線を感じる。
講評
文言の「自心を知らない」という感じ、「目の前が分からない」という不思議さが表現されている。見る人の想像力を誘う一枚。
講評
「小さな生き物の上にも人間と同じように雨が降る」感じが出ている。また花びらが雨宿りする傘のように写っているのもおもしろく、その対峙がユーモラスだ。
講評
美しい写真で、雲の調子も良いし、映り込みもきれいである。文言にも合っており、奥深い表現力を感じる。
講評
本来ならばまだ雪に埋もれてしまっているクロッカスの花が、美しく咲き出でている。すがすがしさと小さいながらもたくましい命の息吹が伝わる。
講評
花のある日常の風景。歴史を感じさせる木の板と柱がすべてを語っている。毎日続けること、積み重ねの大切さを見る者に伝えてくれる。
講評
願いを託した金箔がアクセントになって目を引き、周りの仏像に視線が広がる。多くの仏像がストレートに見えて来る。これがあるのとないのとでは、ぎりぎりの面白さがある。
講評
まさに一期一会のタイミング。熱気球がもう少し大きいと文句なしだが、引いた視点が表現に客観性を生み、文言に通じる美しい瞬間を捉えている。
講評
とにかく「大地が白い」というのが良い。また背景の山の「黒」が対照的で白い大地を引き立てている。作品の雄大さに、心を広く持てという文言が伝わってくる。
講評
色の具合も、光線の具合も良い。さわやかな感じで文言とも合っている。清らかな流れをみると、上流の美しさが保たれているのが想像出来る。
講評
横からの光線によってお地蔵さんの表情が良く撮れている。素直で、下心がない感謝の気持ちが率直に伝わってくる。
講評
「大勢の中にあっても、それぞれ一人ひとりが拠り所を持つのだ」という文言の意味を読みながら見ると自然と納得できる作品。文言のテーマと付かず離れずの面白さを味わえる。
講評
前に登った登山者が積み重ねていった石、ケルン。文言の宿縁を連想させ、また雄大な風景を写すことで、宿縁のひろがりが表現できている。
講評
昆虫の写真では蟻を撮るのが一番難しいが、良く撮れている。葉っぱが立っているのが良い。動きも良くわかりやすい。蟻は「苦」と思っていないだろうが、文言にもぴったり合う。
講評
よく整理され、絵のようだ。白黒の基調が美しい。深い意味を想像させる魅力的な一枚。この白サギの美しい姿は、二度と見ることが出来ない。
講評
「心の貧しさ」がよく表現できているように思う。露出をアンダーで撮って、風に吹かれる枯れ薄の暗澹たる雰囲気が、文言に合う。
講評
ストレートで良い。飯台のなかに米が一粒も残っていないところがすっきりしていて良い。格子戸と瓦屋根の陰の組み合わせが引き立てている。
講評
オレンジの色がきれいで印象的。今ではなかなか見ることの無い風景だが、柔らかくも強い日差しに収穫の秋の感じが良く表現されている。
講評
野焼きのなかで一番良い写真だった。「小さな失だからと軽く見ていると大変なことになる」心の内側のおそろしさを野火の姿で表した象徴的な作品。
講評
網代笠の丸形が並んでいる構図が印象的でおもしろい。外の街なかに学びを求めていく心構えが伝わる。
講評
フォトジェニックな一枚。シルエットで表現されているのも良い。なかなかこのようなシーンはとれない。動物の姿を借り、文言の意味を良く表している。
講評
風の流れや光の動きに、どちらへでも自在に動く雲の姿。文言の「移ろいやすさ」が象徴されている。
講評
滝の写真も数多く公募された。坐禅と滝、この写真を見ていると坐禅の修行を連想させる。シャッターチャンスも露出も良く、とてもきれいな背筋が伸びる写真。
講評
ストレートで分かりやすい一枚。アングルも良く、表情が愉快だ。文言からこの羅漢像を被写体として選んだアイデアの勝利。
講評
雨上がりの虹がきれいに撮れている。文言のとおり、「はからい」を離れて現れた虹は、「自然の大きさ」を伝える。
講評
長時間の露光で苦労したのでは。適切な露出の長さで、夜空がとてもきれいにとれている。文言にも合う。
講評
応募された小鳥の作品中で、一番よくメジロの姿の特徴を捉えていた。無邪気に無心な小鳥の仕草、梅の花の色合いも美しく、穏やかで安らかさ感じが伝わる。
講評
温泉につかって合掌しているように見えるお猿さん。表情も良く、文言にも合っており、カレンダーの末日にふさわしい一枚となった。