公益財団法人仏教伝道協会主催 こころの絵本大賞 2018

第三回受賞作品 りっぱなひよこ りっぱなにわとり 作・絵 はっとり ひろき

はしれ~ おじぞうさん

今回はこれぞという作品が見当たらず、選考に時間を要しましたが最後は三人の選者ともに「りっぱなひよこ りっぱなにわとり」の受賞に合意しました。ほかの動物のすてきなものを次々とほしがり、だれにもまけないりっぱな姿になるがおかあさんからありのままの、いまのままでいいといわれるひよこの話に共感を覚えました。画面構成もたくみです。(西本)

他の人のことや、もってるものが、すごくうらやましくて、ほしがっちゃう。
これは、子どもに限らず、あるあるです。
その着眼を、ナンセンスに展開させて、「そのまんまでいいんだよ」
という落とし所は、素晴らしい。プラス、オチまでつけています。おみごと!
自己肯定感の喪失は、現代社会の大きな問題にもなってきています。
新しいこころの絵本が、ここに誕生しました。おめでとう。
あ。ひとつだけ。いいですか。
空に飛び立つ鳥瞰場面は、なんか暗い画面なので、
もっと爽快感のある場面にしたほうが気持ちいいです。(藤本)

(出版に際しては一部直しが入ります)

講評

「第3回 こころの絵本大賞」審査経過及び講評

波賀 稔(鈴木出版編集長)

「こころの絵本大賞」第3回目の総応募数は75作品でした。昨年とほぼ同じ応募数でしたが、全体的には作品レベルが上がっているように思われました。とはいっても、絵は合格ラインに達していても、作がいまひとつという作品が多く見受けられました。絵本は画集ではないので、ストーリーがとても重要です。

一次審査は、9月4日と5日の二日間で行い、すべての作品に目を通しました。どこかで見かけたようなストーリー、意味のない擬人化をした作品、独りよがりの展開、単なる日記にすぎない表現、大人目線の作品などの中から、作・絵ともある程度のレベルに達していると思われる20作品を選び、9月25日に、西本鶏介氏、藤本ともひこ氏を交えた最終審査を行いました。 秀でた作品はなかったものの、テーマがわかりやすいことと、絵がユニークであることなどで、大賞受賞作品が決まりました。優秀賞3作品に大差はなく、それぞれの作品についての講評は、西本氏、藤本氏の講評をご覧ください。

ところで、応募作品全体を通して、文章への意識が低いのではないかという作品が多く見受けられました。次回応募の際は、絵を何度も描き直すように、文章ももっと練って欲しいと感じます。何度も何度も言葉に出して読み、スムーズな流れの文章を作ってほしいと思います。
<第3回 こころの絵本大賞 講評>2018
西本 鶏介
どんなに絵がすぐれていても、ストーリーが類型的では絵本にする意味がありません。
まずはお話として読者の共感を呼ぶものであってほしい。自分の絵本をかく前にたくさんのすぐれた絵本に目を通すことです。いつも思うことですが絵はともかく、まずはお話づくりに力をいれてください。
<第3回 こころの絵本大賞 講評>2018
藤本 ともひこ
全体的に、ブラッシュアップすれば、もっとよくなるものがいくつもありました。
でも、そのブラッシュアップこそ作家性なので、誰かが代わりにやるわけにはいきません。
自分で、そのセンスを磨くしかないのです。
みなさん自身のブラッシュアップに期待します。
じつは、そこんとこが最もたいへん険しい道です。が!やりがいはあります。
どうにか歩み続けて、この世界に面白い絵本を生みだしてみてください。
こどもたちは、待っています!

優秀賞 ふわふわ ふんわり 作:ないとう ゆみこ

優秀賞 ふわふわ ふんわり 作:ないとう ゆみこ
「ふわふわ ふんわり」なにをいいたいのかわかりづらいけれど、心がなごむ、あたたかくてシンプルな作品です。(西本)

ウインザー・マッケイの「リトル・ニモ」はベッドで冒険にでかけます。
この絵本では、ふとんで旅にでます。
ふとんのフワフワ感のシズル感たっぷりの絵本で、幸せ感もたっぷりです。
たぶん、ちいさなこどもたちが、みたら嬉しくなるんだろうと思います。
とはいえ、夢オチじゃないのを、ぼくは見たかった。
そこまで、かけたらぐっと面白くなった。そこですね。(藤本)

優秀賞 ボクをたべてくれませんか 作:羽石 雅也

優秀賞 ボクをたべてくれませんか 作:羽石 雅也
「ボクをたべてくれませんか」善意のがまんくらべは気になるけれどデッサン力のすぐれた印象深い作品です。白黒場面が多く、もう少し色をつかってみたい。(西本)

綺麗なレイアウト。白と黒の世界に、差し色が入るのは、
東君平さんの系統としても美しい。
命の連環を託したストーリーは。好感が持てます。
とはいえ、具合の悪いみんなのとこにも、
それぞれ、木の実が飛んできたらいいのに。と思っちゃった。
そんな木の実があるのなら、ひとつじゃないよね。
みんなが、救われてほしかった。
ちょっと、考える価値はあると思います。(藤本)

優秀賞 千吉山 作:伊藤 正

優秀賞 千吉山 作:伊藤 正
「千吉山」なんともにぎやかでマンガみたいに楽しい作品です。まるでお笑い風のストーリーですがラストの数行は不要。(西本)

おばかなコンビの掛け合いは抜群に笑った。じつに面白かったです。
癖のある絵も、細部に渡って楽しんで描いていました。
とはいえ、物語展開に無理があって残念。ゾウの件ですね。
絵の一枚たりとも、言葉の一言たりとも必然性がないといけません。
特に、最終見開きの楽屋落後書きはいらないのです。
それらの点を、シビアに考えてみてください。
でも、ぼくはいちばん面白かったんです。そこは自信を持ってください。
(藤本)

佳作 てのひら 作:かたおか かりん

佳作 てのひら 作:かたおか かりん

佳作 のんきかあちゃん 作:のぐち わき

佳作 のんきかあちゃん 作:のぐち わき

佳作 オレはかまぼこ 作:秋谷 正夫

佳作 オレはかまぼこ 作:秋谷 正夫

佳作 ゴリラのドラム作:しもかわ もとき

佳作 ゴリラのドラム作:しもかわ もとき

佳作 おとうさんだって よわいんだよ 作:江副 由美子/吉村 直記

佳作 おとうさんだって よわいんだよ 作:江副 由美子/吉村 直記

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