137.三教指帰/三敎指歸(さんごうしいき)

空海(くうかい)撰
(蔵外)

真言宗を創設した空海の,いわば出家宣言書とでもいうべき書物で,彼の処女作でもある。
18歳の時に草稿本としての『聾瞽指帰(ろうこしいき)』を書き,本書は,24歳の時に修訂して完成したもの,といわれている。
「三教」とは,儒教・道教・仏教の三種の教えのことで,これらの優劣を論じ,仏教の出家となることこそが,本当の意味の忠孝の道であることを主張することによって,当時の著者のまわりの者からの批判をしりぞけている。
文章もまことに美しく,空海の文学者としての素質をみごとに浮きぼりしている書物といえる。