136.八宗綱要(はっしゅうこうよう)

凝然(ぎょうねん)撰
(蔵外)
Eng. The Essentials of the Eight Traditions
(In BDK English Tripiṭaka 5 “THE ESSENTIALS OF THE EIGHT TRADITIONS/ THE CANDLE OF THE LATTER DHARMA”)

八宗というのは,奈良時代に日本に伝わった六宗と,平安時代に最澄(さいちょう)と空海(くうかい)によってそれぞれ創始された二宗とのことであり,それら各宗の歴史と教義とが,簡明に記述されているので,一種の日本仏教入門書として,古来多くの人びとによって読まれてきた。
上巻には,序説に続いて,倶舎宗(くしゃしゅう)・成実宗(じょうじつしゅう)・律宗(りっしゅう)についての記述があり,下巻には,法相宗(ほっそうしゅう)・三論宗(さんろんしゅう)・天台宗(てんだいしゅう)・華厳宗(けごんしゅう)・真言宗(しんごんしゅう)について述べた後,禅宗(ぜんしゅう)と浄土宗(じょうどしゅう)とについても簡単な紹介がなされている。
問答体によって各宗の宗名・典拠としての聖典・伝承の系譜・主な教義,といったものが概説されており,しかも,インド・中国・日本へと仏教が伝えられたその簡単な歴史も含まれているので,きわめて便利な日本仏教の解説書といってよいだろう。