111.観心覚夢鈔/觀心覺夢鈔(かんじんかくむしょう)

良遍(りょうへん)撰
(大正大蔵経 No.2312)

「観心」というのは,人間の心を離れては外界の事物は存在しない,ということを観察することであり,「覚夢」というのは,このような観心によって迷いの夢から覚めて真理を悟ることを意味する。
すなわち,本書は,唯識(ゆいしき)の教学の立場から,鎌倉新仏教に対抗して,唯識と大乗仏教との教理を融合させた論文であり,唯識思想の入門書とでもいえるものである。
著者は,華厳・律・浄土の教学についての理解にも立っているので,きわめて特異な唯識論が展開されている書物である。