110.大乗法相研神章/大乘法相研神章(だいじょうほっそうけんじんしょう)

護命(ごみょう)撰
(大正大蔵経 No.2309)

淳和(じゅんな)天皇の勅命によって,各宗がそれぞれ自己の宗義(しゅうぎ)を要約して朝廷に提出したものが,「天長六本宗書(てんちょうろくほんしゅうしょ)」とまとめてよばれているものであるが,本書もその一つで,法相宗(ほっそうしゅう)の宗義を述べたものである。
著者の護命は,平安初期における最も有名な仏教学者であり,多くの著述をしたようであるが,現存するものは本書のみである。
これは,単に「六本宗書(ろくほんしゅうしょ)」の一つである,ということで重要であるばかりでなく,日本における唯識思想(ゆいしきしそう)を知る上においてもきわめて大切な資料であるといえる。