109.般若心経秘鍵/般若心經祕鍵(はんにゃしんぎょうひけん)

空海(くうかい)撰
(大正大蔵経 No.2203-A)

現在でも多くの日本仏教宗派によって用いられているのが『般若心経(はんにゃしんぎょう)』(11番)という名の経典であり,古来,この経典に対する注釈書はきわめて多いのであるが,本書は,この経を密教の経典であると断定して,真言密教の立場から注釈をしている点に特色がある。
すなわち,密教の立場からこの経典の大意・経題・翻訳の同異について論じた後に,経を五段に分けて解釈しているのである。
『心経秘鍵(しんぎょうひけん)』ともよばれているこの書は,巻末の文によると,天下に疫病がはやった際に,天皇の勅によって撰述したことになっている