78.原人論(げんにんろん)

宗密(しゅうみつ)述
(大正大蔵経 No.1886)

禅(ぜん)と華厳(けごん)との一致を主張した宗密が,その立場に立って人間存在の根源について論じている書物であり,『華厳原人論』ともよばれる。
まず儒教・道教を批判し,次に小乗と権大乗(ごんだいじょう)を斥(しりぞ)け,その上で真の大乗について説明した後で,最後に,前に批判の対象としてきたすべての立場や思想も,人間存在の真実なる根源があらわれるための縁になっている,ということを説いて,あらゆる教えを統一しようとしている。