74.三論玄義(さんろんげんぎ)

吉藏(きちぞう)撰
(大正大蔵経 No.1852)

三論宗の根本聖典である。中国において三論宗を大成した嘉祥大師(かじょうだいし)吉蔵が著わした著作は多いが,その中でも,三論宗の教義を,もっとも簡明に概論したもので,中観仏教の入門書と言ってもよいだろう。
「三論」とは,『中論(ちゅうろん)』(52番),『百論(ひゃくろん)』と『十二門論(じゅうにもんろん)』のことであるが,これに『大智度論(だいちどろん)』を加えた四つの聖典を,なぜこの宗では重視するのか,という理由と,各論の特色や,互いの関連性について述べたものである。

日本の三論宗においては,三論そのものよりも本書が,最も重要な聖典として用いられていた。