69.釈摩訶衍論/釋摩訶衍論(しゃくまかえんろん)

龍樹(りゅうじゅ)造・筏提摩多(ばつだいまた)訳
(大正大蔵経 No.1668)

「摩訶衍」というのは梵語のマハーヤーナの音写で,「大乗」を意味するが「摩訶衍論」とは,『大乗起信論』(68番)を指す。すなわち,この書は,前述の『大乗起信論』の註釈書である。
制作場所や著者についても,当然『大乗起信論』と同じく議論のあるところであるが,真言宗においては,創立者の空海(くうかい)が本論を龍樹の真作としたために,古来重要な典籍の一つとして研究され続けてきた。
おそらく,7・8世紀の頃に,中国あるいは朝鮮半島において制作されたものであろうと思われる。