54.成唯識論(じょうゆいしきろん)

護法(ごほう)等造・玄奘(げんじょう)訳
(大正大蔵経 No.1585)
Eng. Demonstration of Consciousness Only
(In BDK English Tripiṭaka 16 “THREE TEXTS ON CONSCIOUSNESS ONLY”)

世親の著わした『唯識三十頌(ゆいしきさんじゅうじゅ)』(55番)に対する,10人の仏教学者の注釈の中,護法の説を中心として,他の9人の学者の説をも合わせて含めたものである。
人間存在の根本に阿頼耶識(あらやしき)とよばれる根本識があり,その中に蔵せられている過去のあらゆる行為が,現在や未来の行動となって現われるので,この世のあらゆる存在と現象とが,すべて人間の心より生ずるという,いわゆる「唯識説」を展開しているのである。
法相宗の根本聖典であるばかりでなく,すべての仏教学者にとって,一度は学ばなければならない重要な書物である。