51.阿毘達磨倶舎論/阿毘逹磨倶舍論(あびだつまくしゃろん)

世親(せしん)造・玄奘(げんじょう)訳
(大正大蔵経 No.1558)
Skt. Abhidharmakośa-bhāṣya

普通『倶舎論(くしゃろん)』と略してよばれているこの書物は,部派仏教教理の集大成と言ってもよい『阿毘達磨大毘婆沙論(あびだつまだいびばしゃろん)』の綱要書であり,奈良時代に日本に伝えられた六つの宗派の中の,倶舎宗(くしゃしゅう)の典拠であり,同時に法相宗(ほっそうしゅう)の基本的教学書でもある。
内容は,部派仏教の中の説一切有部(せついっさいうぶ)の教理を批判する立場で書かれたものであるが,それぞれの教理がきわめて要領よくまとめられているので,かえって有部(うぶ)の教理を知るためには実に便利な手引書となっている。
日本においては,法相宗の教義を知る上での基本的書物として,盛んに研究された。