30.達摩多羅禅経/達摩多羅禪經(だつまたらぜんぎょう)

佛陀跋陀羅(ぶっだばっだら)訳
(大正大蔵経 No.618)
Sks.: Yogācārabhūmi-sūtra?

5世紀の初めごろに,西域地方で精神統一の修行法としての禅観を盛んに説いていた,達摩多羅(だつまたら)と仏大先(ぶっだいせん)との二人が著わしたものであり,それ故に,その中の一人の名が経名につけられている。
本経には,小乗の禅法についての仏大先の所説が中心に述べられており,大乗禅の立場を説いている達摩多羅の所説は欠けている,と言われているが,この経の説く禅の修行法には,きわめて具体的な修行者の心得が説かれているために,実際的指導書として盛んに用いられてきた。
ちなみに,経題の達摩多羅という文字から,禅宗の創始者の菩提達磨(ぼだいだるま)と混同され,その所説として禅門においては重要視されてきた。