28.月上女経/佛說月上女經(がつじょうにょきょう)

闍那崛多(じゃなくった)訳
(大正大蔵経 No.480)
Skt. Candrottarādārikāparipṛcchā

毘摩羅詰(びまらきつ)という名前の長者の娘で,月上という女性が,将来必ず成仏することが出来るであろうことを保証されているのが,このお経の内容である。
日本における有名なおとぎ話『竹取物語』のもとになったと言われている経典で,この月上は,さまざまな神変奇瑞(じんぺんきずい)をあらわし,最後にはその身を変じて男子となり,出家して仏弟子となることになっている。
おそらく,ここで出てくる毘摩羅詰(びまらきつ)は,維摩(ゆいま)のことであろうと思われるが,少なくともこの経典の中では,この人物は平凡な一長者であって,後の『維摩経』(27番)に出てくるような,大乗仏教思想を体得した人物としては描かれていないので,この経よりヒントを得て,後に『維摩経』が作られたものと考えられる。