27.維摩詰所説経/維摩詰所說經(ゆいまきつしょせつきょう)

鳩摩羅什(くまらじゅう)訳
(大正大蔵経 No.475)
Skt. Vimalakīrtinirdeśa-sūtra
Eng. The Vimalakīrti Sutra
(In BDK English Tripiṭaka 30 “THE SUTRA OF QUEEN SRIMALA OF THE LION'S ROAR/ THE VIMALAKIRTI SUTRA”)

一般には『維摩経(ゆいまぎょう)』と省略して呼ばれている経典であるが,維摩というのは,大乗仏教の奥義に到達した在家信者の名前で,この人物が病気になったのを知った釈尊が,自分の弟子を見舞いに行かそうとするところから物語がはじまる。
ところが,かつてこの維摩にやりこめられたことのある仏弟子たちは,一人残らず辞退してしまったために,最後に文殊菩薩が見舞い役を引き受け,かくて,維摩と文殊との間で大乗仏教の深い教えについての問答が行われる,という形式をとっている。
聖徳太子が,「三経義疏(さんぎょうぎしょ)」の一つ(107番)にこの経典を取り上げたこともあって,日本においては重要な経典の一つとなっているが,その内容もきわめて劇的であり,しかも,深い大乗思想を知る上において,大きな手がかりともなっている。