11.般若波羅蜜多心経/般若波羅蜜多心經(はんにゃはらみったしんぎょう)

玄奘(げんじょう)訳
(大正大蔵経 No.251)
Skt. Prajñāpāramitāhṛdaya-sūtra

『般若心経(はんにゃしんぎょう)』という略名によって広く知られているこの経典は,本文わずか262文字というきわめて短い経典であるが,その内容は,厖大な『般若経』の内容を圧縮したものであって,般若の空の思想を,まことに簡潔に述べたものである。
「心」というのは,最も肝要な部分,といった意味で,般若思想の精髄,と言ってもよいのである。
玄奘の名訳,ということもあって,古くから日本においては読誦経典として用いられ,日本仏教宗派の大部分が典拠としている。したがって各宗合同の法要などでは,これが読誦されるし,写経用の経典としても最もしばしば用いられている。
内容はきわめて深遠ではあるが,言葉としては仏教教義の重要なものの大部分が含まれているので,仏教入門書としても適している。