10.仁王般若波羅蜜経/佛說仁王般若波羅蜜經(にんのうはんにゃはらみつきょう)

鳩摩羅什(くまらじゅう)訳
(大正大蔵経 No.245)
Skt. Kāruṇikārājā-prajñāpāramitā-sūtra (?)

仏が,16の王国のために,国を護り安らかにするためには,般若波羅蜜,すなわち仏の智慧を実践することが最も重要である,ということを説いている経典である。
その内容から,日本においては護国の経典としてきわめて重視され,この経典を読誦するための「仁王会(にんのうえ)」とよばれる法会(ほうえ)が,西暦660年以来長らく行われてきた。
なお,このお経と『法華経(ほけきょう)』(12番),『金光明経(こんこうみょうきょう)』(33番)とをあわせて,「護国三部経(ごこくさんぶきょう)」とよんでいる。
国土が乱れたり,災害や敵に攻められたりした時に,この経を読誦すれば,災害がなくなり,五穀が豊かにみのり,人民が栄える,といった,きわめて具体的な内容を持った経典であったために,日本の皇室や幕府によってしばしば用いられてきたのである。