3.大乗本生心地観経/大乘本生心地觀經(だいじょうほんじょうしんじかんぎょう)

般若(はんにゃ)訳
(大正大蔵経 No. 159)

『本生心地観経』とか,『心地観経』と省略されてよばれることもあるこのお経には,仏道(ぶつどう)を成じて悟りに到達するためには,出家して静かな場所に住し,すべての根源である心の中からあらゆる煩悩(ぼんのう)の炎を消すことが大切である,ということが説かれている。
心地というのは,ちょうど大地があらゆる生物を生ずるように,人間の心こそが,清濁(せいだく)いずれの境地をも生ずる源泉であることをたとえたものである。
一応出家者の修行について説いた経典であるが,全体で13章あるうちの第2章に「報恩品(ほうおんぼん)」というのがあり,そこに父母・衆生・国王・三宝(さんぼう)の四つに対する四恩(しおん)が述べられていることから,日本においてはしばしば用いられてきた。