2.中阿含経/中阿含經(ちゅうあごんぎょう)

瞿曇僧伽提婆(くどんそうぎゃだいば)訳
(大正大蔵経 No. 26)
Skt. Madhyamāgama
Eng. The Madhyama Āgama Volume Ⅰ
(In BDK English Tripiṭaka 45 “THE MADHYAMA ĀGAMA Volume Ⅰ”)

原始仏教経典の一つで,南方系仏教のパーリ語聖典における,中部/マッジマ・ニカーヤに相当するもので,漢訳には,全部で222の経典が収められている。
経典の中では,その分量が中位のものばかりが集められているので,『中阿含経』とよばれている。
もっとも,パーリ語における152経の場合は,ほとんどが中位の長さのものであるが,漢訳の場合は,きわめて短いものや,その反対にかなり長い経典をも含んでいる。
内容的にはさまざまなものがあるが,釈尊やその弟子たちの言葉や行動,四諦とか十二因縁といった,原始仏教における根本的教義,さらには,譬喩(ひゆ)を述べたもの,といったものが含まれ,全体は,十八品とよばれる,18の経典群に分類されている。
阿含経とよばれるものには,この他に,長阿含(じょうあごん)(1番),増一阿含(ぞういつあごん),雑阿含(ぞうあごん)とよばれる経典群があり,この中阿含を含めて,全体を「四阿含(しあごん)」と呼んでいるが,パーリ語聖典では,中部の他に,長部/ディーガ・ニカーヤ,相応部/サンユッタ・ニカーヤ,増支部/アングッタラ・ニカーヤ,小部/クッダカ・ニカーヤの四つがあり,全体で5部になっている。
この漢訳の「四阿含」とパーリ語の5部とは,必ずしも一致しているわけではなく,それどころか,かなりの相違が見られる。